地獄先生ぬ〜べ〜 第8話

まず、一つ小言を言うとすると、「女の子はヒーローの背中を見ておくものだ」というセリフはどうなんでしょう。2015年にもなろうという今日、この男女観/ジェンダー観はまずいでしょうと思いました。

こういうこと言う人もいるというようなシーンではなく、メインの主題となるようなシーンの主人公のセリフなわけだし。「いや、ここは俺にまかせとけ。俺の背中を見ておけ」くらいにしとけばいいのに、と思いました。

しかも鵺野先生は国語の先生ということで人文科学の一応は専門家なわけだからさあ、とか無粋なことまで思いましたよ(もちろん現実世界でもこのへんについてダメダメな先生いくらでもいるでしょうけど)。もちろん鵺野先生のせいじゃなく脚本家・プロデューサー・監督さんのせいなわけですが。


ポリティカル・コレクトネスの問題は置いておいても、エンタメで「戦う女性」なんて古今東西いくらでもあるわけで。たとえ男女平等とまったく別次元の「戦う女性萌え」的なある種の/そしてしばしば性的だったりもする「男の子目線」のものだとしても。

そう。ようするに、ゆきめさんが戦うところを、鵺野先生と一緒に戦うシーンを見たかったです。


ちなみに「小言を言う」って表現はどうなんだろ?細かいことは気にしないけど一応気になるし「小言」の使い方って?と10秒検索したけどよくわからなかったんでそのまま「小言を言う」って使ってみました。国語の先生の鵺野先生に教えてほしいです。


それはともかく、件のセリフ後の、念仏から強制成仏までの鵺野先生/丸山隆平さんの気合の入り様はさらによくなったというか、極めつつあるかんじですごいよかったと思いました。みんなが後ろにいるし、なんかいいかんじのテンションで、絶妙なかんじで撮影できたのかな?とか思いました。



それで、赤いジャージの先生が幽霊だったということで、よかったです。これまでのシーンはあんまりかんじいいものではなかったですから。無視のシーンがおもしろいならまだしもそんなにおもしろいとも思わなかったし。ドラマの英語字幕をみて、「赤い体育の先生かわいそう」みたいなコメントをしてる外国の人たちもいましたので、少し気になっててこれ続けるの?スポット当ててオチつける予定ちゃんとあるの?とか思ってたのですが、とてもいいオチのつけ方でよかったです。


で、ドラマ全体というか第8話全体ですが、楽しかったです。やっぱいろんな妖怪やキャラが出てきてごちゃごちゃカオスなかんじになってるのが心地よいというか、「多幸感」あるよね、と。三池崇史監督の『妖怪大戦争』とか全然のれなかったような気がするけど今見ればのれるのかも(そもそも三池作品あんまのれないわたくしですが)。

鵺野先生の部屋のシーンも、お寺のシーンも、ガツンとお灸をお仕置きのシーンも、学校でのごちゃごちゃシーンも、みんなよかったです。わたくしは幸せいっぱいでありました。



人食いモナリザさんが弱い問題というかそもそもこのドラマの特撮・CG系メイン敵キャラ妖怪があっさりやられちゃう問題ですが、これでいいと思います。パっとしない戦闘シーンをダラダラやるより全然いいと思います。

前から言ってるけど、たとえばトランスフォーマーシリーズやマトリックスシリーズとかのボカボカドカンドカン長々とやってる戦闘シーンで眠くなるタイプの自分としては、長々と戦闘シーンやっていいのはジャッキー・チェンジョン・ウーだけなので(ジェームズ・キャメロンもかろうじてありかも)。


ゆきめさんの戦うシーンはそれでもみたいですけどね!これは一般論とは別次元のファン目線の話ですから。みんなで校舎の中へ向かって歩くシーン、みんなでポーズをするシーン、ゆきめさん超よかった。


というか、「ガツンとお灸をお仕置き」は「あったかい冷やし中華」に続く名台詞になりました、わたくの中で。